現在の自分がこの世でもっとも醜く、有害な生物-すなわち春休み中の大学生-に身を落としているという事実に耐えきれなくなり(というわけではなくただ単に大学に用事があっただけだがこういうインチキトンチキな理由付けをした方が書き出しがかっこよくなるかなと思ったので)、数日ぶりに大学に行ってきた。 数日ぶりの大学。毎日行かなければならないときには愉快な場所には感じにくいが、数日ぶりとなると妙な新鮮さがあってなかなかいいものだな、と思う。まるで倦怠期の恋人のようである。恋人がいたことがないので倦怠期の恋人がどんなものなのかさっぱりわからないが、倦怠期の恋人という文字列から漂うほのセクシーさが気に入っているのでわざわざ書いた。この文章を目にした倦怠期の恋人経験のある方で、倦怠期の恋人ってそういうものじゃないよ等の文句がある方はわたしのask.fmに匿名で文句をお寄せになるかお住まいの自治体の広報課にクレーム電話をかけてくださればそれで結構だ。よく知らないが公務員なんてどうせ暇なのだ。公務員をやっていた人間が「公務員は3日やったらやめられないよ」と言っていたので間違いない(毎日忙しく業務をこなしていらっしゃる公務員のみなさん、本当に申し訳ございません。大体ジョークだから怒らないでください。でも知り合いの公務員の件はマジです)。 帰る前に自分のロッカーのようすを見に行った。台風のときに川のようすを見に行くと高確率で死ぬので見に行ってはいけないとNHKの高瀬アナも言っていたが、春休みに自分のロッカーのようすを見に行ってはいけないとは誰も言っていなかったからである。ひとがやってはいけないということはやっていけないのだが、やれともやるなとも言われていないことに関しては、自分の裁量でやってもいいのである。日本というのはそういう国なのである。日本っていいね、豆助や。 くたびれたリサとガスパールのキーケース(くたびれているのはリサでもガスパールでもなくキーケースである)から鍵を出し、ロッカーを開けると、そこはワルシャワ蜂起後のワルシャワ市内の一歩手前くらいに荒れていた。白衣は片側の肩(かたがわのかた、おもしろい響きである)がハンガーからずり落ち、運動靴を入れていたビニール袋の端は扉に挟まりヨレヨレになり、ラインマーカーだらけのプリントが散乱し、クリーニング店の袋に入ったままの解剖衣が