ブログ始めました。
今までにインターネットをしていて何度も見てきた表現だ。その度にわたしはそのブログの筆者を体育館裏に呼び出し、殴りつけたい衝動に駆られた。何がブログ始めました、だ。大体貴様は誰だ。貴様がブログを始めようが大学のレポートを提出し忘れようがラーメンを食べに行こうがそんなことはわたしを含めた世界の大半の人間にとってどうでもいいんだ。知ったこっちゃないんだ。そんなまるで益のないどうでもいいことをいちいちインターネットに書き込むんじゃない。そしてこれはまさに正論、宇宙の真理と言える。小学生が、中学生が、高校生が、総理大臣が、外務大臣が、大学教授が、医者が、公務員が、テルミン奏者が、エステティシャンが、ひよこ鑑定士が、映画スターが、右翼が、左翼が、ヤクザが、カタギが、老若男女が納得するまっとう極まりない主張である。
そのわたしがなんとまあブログを始めてしまった。しかもはてなブログである。ブログ運営サービスを利用させていただいているくせに、はてなブログについては何も知らない。大方、「はて、なんでわたしは始めてしまったのかしら、ブログを」か何かの略なのだろう。きっとそうだ。
さて、そのなんでブログを始めてしまったのかについて書こうと思う。そんなこと誰も知りたくは
ないのだから書かなくてもよいのかもしれないが、物事を起こす時はその理由を明確にすることが吉なのである。物事には理由がある。がん保険には色々な種類がある。わたしはそう教えられて育った。なんの前触れもなくいきなり頬を叩かれたら、納得できず心底腹が立つだろう。しかし「お前がおれの口頭試問をいつも不合格にするから叩くんだ」と言われてから叩かれたら、ああなるほどな、だから叩かれるのかと納得できるだろう。だからブログを始めた理由を書く。そうすればこれを読んだ人は、ああなるほどな、だからコイツはブログなんぞ始めたのかと理解し、続きを読まずにパソコンなりスマホなりの電源を落とすことができる。
前置きが長くなってしまったが、ブログを始めたのは、昨日拝見したツイッターのフォロワーさんがお書きなすったブログが大変に、それはそれはもう非常におもしろく、ぜひ読者になりたいと思ったからである。まさにウィットに富んでいて軽快なリズムに満ちたエンターテインメント性のある文章(この表現はそのブログからの抜粋です)だった。これからもこの文章を読み続けたいと思った。しかし読者になるには自分もはてなブログに登録しなければならない。だから登録したのである。
つまり読むためだけの登録である。だったら書かなくていいじゃん。大体わたしはインターネットに自分の言葉を残す手段を既に有り余るほど、そう、使いこなせていないほど持っている。ツイッターもしている。ask.fmのアカウントも持っている。本の感想はブクログに残している。おしゃれ気取ってTumblr(おしゃれ気取っているので絶対にタンブラーとカタカナ表記したくない。それはタンブラー乾燥のときだけ使う表記だ。寒くなってもウールのお洗濯ができない。)までやっている。呆れることにTumblrには時たまブログを投稿している。
驚くべきことに、この文章を綴っていたらこんな文章はまるで必要ない、ただの時間と労力と脳細胞の無駄という結論に至ってしまった。何なんだ。もうすべてがバカバカしい。バカバカしいのでここいらで筆を置く。嘘だ。筆はない。だってiPadで書いているんだもん。
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